2007年11月1日木曜日

泣いてはいけない日

今日は切ない1日でした。。
わたしの住む街の駅前にあったお寿司屋さん。
創業45年の江戸前寿司店。
親子3代に渡り、人々に愛され、
全盛期では1日に100万もの(驚!)売り上げがある日も
少なくはなかったそうです。

そのお寿司屋さんと我が家は親交が深く、
わたしたちがこの街に住み、
母が串焼きのお店を開いてから13年。
その間、家族ぐるみで本当に仲良く過ごさせて貰い、
お父さんとお母さんはわたしを本当の娘のように可愛がってくれました。

わたしはまぐろが大好きで、
食べに行く度、まぐろばかり頼むので、
お父さんはいつもいいまぐろだけをわたしに出してくれて、
いつの間にかまぐろの良し悪しがわかるようにまでなり、
いまでは上等な品が入ったときしか、食べさせてくれなくなるようになりました。
本物の味を教えてくれたんですよね。
「赤身でいいんだけど」
と言っても、
「今日のはたーちゃんに食べさせるまぐろじゃねえ!」
と、むげに断られます。
横のお客さんのちらしには入っていたりしましたが。(え)
そのかわり、わたしが店の前を通ると、
「たーちゃん!」
と声を掛けられ、
「今日はすごいトロが入った!」
とご馳走になることもたくさんありました。
いいトロが入るとお父さんは箱に入れて取っておいてくれて、
「たーちゃんに食べさせるんだ」
といつも嬉しそうにしていたそうです。
それなのに、わたしが数日顔を出さない日があると、
すねてそれを捨ててしまったりしていたとか・・・。

本当にだいすきなお父さん。

お母さんは、毎日窓際に座って道行く人を眺めるのが大好きで、
わたしも毎日のように遊びに行っては、
ああでもない、こうでもない。
と、いろんな話に花を咲かせました。
お母さんには、自分の親に言えないことを聞いてもらったり、
なにかあると泣いてお母さんのところに行って、
お母さんの顔を見て、話を聞いて貰うと、安心して帰れる。
大切な暖かい場所。
お母さんは食べることが大好きで、
お母さんが元気がないときは、
たくさんおかずを作って持っていくと、
笑顔でおいしそうに食べてくれました。
わたしが料理が出来るようになったのは、
お母さんがいつも食べてくれるから、その笑顔が見たくてまた作る。
そのおかげも大きいと思います。

本当にだいすきなお母さん。

娘さんは、わたしの姉と同じ年で、
心の優しいお姉ちゃんのことを、
もうひとりのお姉ちゃんのように慕っていました。
たくさん、相談に乗ってもらったり、
一緒にたくさんわらったり、
小学校3年生の女の子と、幼稚園年少さんの男の子がいて、
こどもたちもわたしに「たかこおねえちゃん!」と、
ほんとにほんとに懐いてくれていて、
家にも遊びにきて、たくさん遊んだり。

ほかにはお兄ちゃん、お姉ちゃんの旦那さん、

みんなみんな、本当に大好きな家族。

そんな温かい「銀寿司」
駅前ですし屋という商売を張った、長い歴史を今日で閉じました。

駅前という立地の中、
大手チェーン店の開店ラッシュの波にのまれ、
また人口の増加に反比例し、外食をする人々が減少したことから、
個人経営店の経営は悪化する一方。
バブル期の過剰な融資と、
現在の日本経済状況の犠牲になった、地方個人経営店のひとつに過ぎないのかもしれない。

でも本当に本当に悲しかった。


チェーン店ばかりが繁栄し、
商店街がさびれていくこの時代。

間違ってねぇか?
味わかってんのかおまえら。
食べ物だけじゃない。
安けりゃいいのか?
新しいものや最新の設備ばかりに価値があるのか?

そんな基準でモノを選ぶ、あなたに価値はありますか?

人と人の繋がりは必要ありませんか?温かさはいりませんか?

なんて、誰とも言えない誰かに言いたくなりました。

地域密着、とかいまは関係ないのでしょうか。

わたしが小さい頃なんて、
悪いことをすれば近所のおじさんに
いきなりぶっとばされたりしました。
いまそんなことしたら大変!なケースのほうが多いのではないでしょうか。

年々増え行く凶悪犯罪も、少年犯罪も、
こんな小さい変化に少なからず関係していると思う。

商店街なんかに関しては、
店側ももちろん「生き続ける努力」をするべきなのだけれど、
それだけでは今の時代、無理なんじゃないかなぁ。。

うちのお店も、このままじゃ、
飲まれてしまう。
なんとか返り咲かせなくては!
わたしが大きくなれたのも、
いま幸せに笑っていられるのも、
母のお店があったから。。
親の店であって、わたしは継ぐわけではないけれど、
そんなの関係ねぇ。
街ごと立ち上がらせてやる!
できないなんて言う人もいますが、
そんなのおっぱっピーです。
ぐちゃぐちゃ文句があるやつは、寺に行け。(妙深寺に限る)
温かい場所を、日本に取り戻して行こうよ!!
商店街がさびれた街じゃ、住んでいても寂しいじゃないですか。
マンションも買っちゃったし・・(違)

「銀寿司」の終焉は、
これはまた新しい門出でもあって、
近くで出前だけのお寿司屋さんNEW[銀寿司」を開くそうです。
まだまだお父さんとお母さんには元気で働いてもらいたい!

商人とは、死ぬまで、働いて、華やかに人生の幕を閉じたいと思うもの。
定年もないし、保証もない。
けれど、店を開ければお客さんが来て下さって、
数が上がれば収入が上がる、
笑顔が見れればまた頑張れる。

だから商売はやめられない♪

お父さん、お母さん、これからだよね!

そう思ったので、涙をこらえて、
「おつかれさま」と「おめでとう」
を伝えに行きました。

わたしも商人の娘のはしくれとして、
母の店のサポート、地域活性化、脚本・・・と、
ネバーギブアップ精神で頑張ります!

2 件のコメント:

Seijun Nagamatsu さんのコメント...

Takakoちゃん、

ありがとうございます。
月始総講を前にして、良い文章を読ませてもらった。本当だ。Takakoちゃんの言うとおりだ。地域再生、そして人と人とのつながりを再生させよう。なんか世の中おかしいもん。ガソリン1リットル200円の時代が来るってビビッてるのにオイル各社は最高益を更新。増税するしかないと言って大企業は減税。NOVAのようなチェーンに支援金を支払って事業を拡大させて、最終的には崩壊。
なんじゃそりゃ、です。
Takako、ガンバレ!

Writer, Takako さんのコメント...

なんじゃそりゃですよほんと。。
誰がどう立ち上がったら改革できるのだろうか・・・
根深すぎて果てしないけど、諦めてはいけないのだ~!
が月始総講、頑張って下さい。
わたしもあした親会場にて参加させて頂きます。
そうそう、今日スゴイことがあった!!
うふ、メールします!